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私は「がん」という病気を持つ方の在宅支援を始めて4年になります。これまでに337名の旅立ちを見送ってきました。 6歳から96歳のあらゆる悪性腫瘍といわれる病気をもつ方に出会いました。『一人暮らしで、子供の世話にはなりたくないし、介護されるのは話だけでもお断りで、入院もしないと言い張る父親をどうしたら良いのか?』という相談や、『病院で眠らされて、このまま死なせたくないので、なんとか家に連れて帰れないか』という若い妻。出会ってから旅立ちまでの期間は短いことが多いのですが、337名の方の生活は鮮明に覚えています。《死は避けることができない》状況だからこそ今を大切に生きる、何か工夫することで諦めていたことが実現するかも知れない、そう考えてお付き合いさせていただいています。6歳の脳腫瘍の子は、『病院で死を待つだけなら・・』と両親が覚悟の退院を決めましたが、お母さんが一日中ひとさじづつ食べ物を口に運び、話しかけている内に言葉が出るようになり、座り歩きたがり、10歳の今も元気です。病気は治ったわけではありません。楽しい時間を過ごすことが、QOLを高め、延命につながると考えています。
退院の準備には、介護ベッドとポータブルトイレが必需品という発想のケアマネージャーが多いのはやむを得ないこととは言え、同時に驚きでもあります。広い病院だからトイレまで歩くのが大変、でも自分の家なら段差では自然と足が上がるし、壁の角につかまってトイレまで歩ける、長年住んでいる自宅は、本人にとってはバリアフリーなのです。つまり、自宅での療養は病院の延長ではないことをもっと感じることが必要です。
ターミナルステージの方は、 <死>を間近な自分の事として考えています。介護ベッドが入ることで『もうそんな状態なのか・・』と失意し、ポータブルトイレを置いた日から、尿の失敗を恐れた頻尿になることもあります。これは、ご本人の考えている事とずれた対応が招く結果です。生きている限り、そこには生活があります。自立生活を支えるためには、ご本人の考え方を知り、先回りした提案をすることなく、希望された時には時間を置かずに対応することが大切です。
鈴木喜代子
『さくさべ坂通り診療所併設『居宅介護支援事業所わたぼうし』は、在宅で暮らしたい末期がんの 患者さんを専門にケアマネジメントを行う全国でも珍しい事業所。鈴木さんをはじめ、4名のケアマネージャーさんは全て看護師である。 鈴木さんは『末期がんの患者さんが安心して在宅で生活できる理想の在宅ケアを目指したい』と日々、ご活躍中です。 千葉市稲毛区作草部町658−1−101
http://www11.ocn.ne.jp/~sakusabe/
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